パワコンと一口に言っても、売電や自家消費、屋根置きや野立てなど、用途や設置場所によって適する機種はさまざま。1台のパワコンがあらゆるシチュエーションにフィットすることはない。目的や条件に合ったパワコンを選ばなければ、期待する効果は得られない。逆に、ぴったりのパワコンなら効果を最大化できる。
自家消費、屋根置き、野立てのそれぞれに最適なパワコンの選び方をチェックしよう。
1.電気の使い方に合った発電コントロールで自家消費を最大化
自家消費では、発電の最大化だけでなく、「電気の使い方とのマッチング」という観点も重要だ。蓄電池のない自家消費では、電気を貯めておくことができない。そのため、電気を作るタイミングと使うタイミングが大幅にずれると、発電した電気を効率よく消費できないというミスマッチにつながる。
これを防ぐのが、自家消費専用のパワコンだ。電気の使用パターンに合わせて発電をコントロールする機能が備わっている。自家消費タイプでないパワコンにはこうした制御機能が搭載されていないケースも多いので、選ぶ際には注意が必要だ。自家消費に適した制御機能が備わっているかどうかを忘れずに確認してほしい。
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2.スペースの限られる屋根置きではコンパクトさも大切
屋根置きの場合、発電設備の設置スペースは限られることが多い。窓や室外機などが屋上にあると、太陽光パネルのスペースを確保するには工夫が必要となる。こうした条件でパネルの設置枚数を最大化しようとすると、必然的に、パワコンなどの付属設備にはコンパクトさが求められる。
こんなときは、小型で軽量のパワコンを選ぼう。合わせて、パワコン1台あたりに接続できるパネル枚数もチェックしてほしい。接続できる枚数が多ければ、スペースを有効活用してさらにパネル枚数を増やせるかもしれない。また、停電時に発電した電気を使える「自立運転機能」があれば、屋根上の太陽光発電が非常用電源代わりとなり、災害にも備えられる。
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3.高効率かつ高施工性のパワコンが野立て発電所の投資回収に貢献
売電を主な目的とする野立ての発電所には、売電金額を最大化し、投資回収期間の短縮に役立つパワコンを選びたい。そのためには、やはり変換効率の高さは外せないポイントだ。朝や夕方、曇りの日などの日射量が少ないときでもしっかりと高効率で変換するパワコンが望ましい。
一方で、パワコンそのもののコンパクトさや重量も施工性を左右する大切なポイントといえる。施工性が高ければ、発電所の工事がスムーズにはかどる。工期の短縮は施行コストの削減につながり、投資回収を早めることができる。早期の投資回収を目指す野立て発電所なら、高効率で施工性の高い優秀なパワコンを選びたい。
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パワコンを選ぶ基準は用途や条件によってさまざまだ。目的に見合ったパワコンで、理想の発電所づくりを実現しよう。
文:山下幸恵(office SOTO)