住宅用蓄電池をもっとスマートに使うポイント3選！
住宅用蓄電池をスマートに使いこなしたいなら、平常時と非常時の使い方を分けて考えておくのがよいだろう。というのも、日常生活と停電時とでは蓄電池の果たす役割が異なるからだ。

蓄電池は普段、充放電機能によって電気を効率よく使うのに役立つが、災害などの停電時は非常用電源として機能する。蓄電池の持つ能力を最大限に引き出すため、次の3つのポイントを押さえておこう。


AIの力で効率よく電気をマネジメント
電気の使い方は家庭によって様々。家族構成や生活のリズムによって、電気をたくさん使う時間帯や、逆にあまり使わない時間帯が異なる。
蓄電池の充放電機能で電気をスマートにマネジメントするには、ほかでもないその家庭の電気の使い方に見合ったオリジナルの制御が必要となる。

AIが搭載された蓄電池なら、1軒ごとに異なる生活パターンを学習し、蓄電池が充放電する量やタイミングを最適にコントロールしてくれる。電気の使用パターンは季節や曜日によっても異なるものだが、こうした情報も活かしながら充放電を制御する。
蓄電池の能力を余すところなく活用したいなら、AIの力を借りるのがよいだろう。




発電ロスの少ないハイブリッド蓄電池
ハイブリッド蓄電池とは、太陽光発電システムと蓄電システムそれぞれのパワコンを一体化した蓄電池。
一般的な蓄電池より高効率であるのが特徴だ。その理由は、電気の変換ロスを抑制できることだ。

一般的に、太陽光発電と蓄電池を併用する場合には、双方のシステムでパワコンが必要になる。発電された電気を使ったり貯めたりするには、交流と直流の変換をしなければならないが、変換を繰り返すほど電気のロスは増える。
一方、ハイブリッド蓄電池では、太陽光と蓄電池の双方でパワコンを兼用し、発電された電気を蓄電池に直接貯めることが可能になる。電気を無駄なく活用できるのがハイブリッド蓄電池の強みだ。



全負荷型で家庭の電気まるごとバックアップ
停電などに備えて蓄電池を導入したいというニーズも多い。
蓄電池は非常時に電気をバックアップするが、バックアップのあり方には2通りあることに注意したい。

1つ目は「全負荷型」で、家庭の電気をまるごとバックアップする方法だ。すべての部屋で電気が使えるため、普段とほとんど変わらない生活ができる。一方、家全体の電気をまかなうには大容量の蓄電池が必要になる。
もう1つは「特定負荷型」で、必要最低限の部屋や家電のみをバックアップする方法だ。価格や容量が比較的コンパクトで、家全体の電気をバックアップすることはできない。
万が一の際にも家じゅうの電気を使えるようにしたいなら、大容量の全負荷型蓄電池がおすすめだ。



日常と非常時では使い方が異なることに留意して、蓄電池をスマートに使いこなそう。


文：山下幸恵（office SOTO）